手関節背屈位ギプスを用いた橈骨遠位端骨折の治療 : 手技改良後の成績

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背屈型の橈骨遠位端骨折38例を手関節背屈位ギブスで治療した.前回報告に対する手技の改良点は,フィンガートラップの使用とギプス圧迫部位の手根骨背側部への変更であった.平均年齢62歳(17?84歳),AO分類のA2.2が7例,A3.2が23例,C2.1が2例,C3.2が6例あった.Palmar tiltは初診時平均?20.8°が整復直後平均3.6°となり骨癒合後平均0.9°であった.骨癒合後に?10°未満は5例であった.腫脹のためにギプスの縦割を要した症例が2例,ギプス母指球部の除圧を要した症例が5例あった.ギプスによる圧迫創は5例で認められ,すべて手根骨背側部であった.手根管症候群などの神経麻痺やRSDの発生はなかった.10週以上経過観察した31例の臨床成績はExcellentが20例,Goodが11例であった.保存療法を改良し手技に熟練していくことで,変形治癒例や手術適応例を減らすことが出来ると考える.

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