皮弁移植により断端を再建した前腕切断の3症例

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広範な軟部組織欠損を伴った前腕切断の3症例に対して,肘関節機能を温存するために皮弁移植術を施行した.3症例とも労災事故で機械に前腕を巻き込まれて受傷した.広範な軟部組織欠損と挫滅を伴う前腕完全切断であり,再接着術は不可能であったが,いずれの症例も肘関節の自動可動性は温存されていた.全例受傷即日から3日以内に再建術を施行した.肘関節部までの被覆が必要な例には有茎広背筋皮弁を選択し,前腕断端部までの被覆が必要な例には遊離広背筋皮弁あるいは遊離肩甲皮弁を選択した.全例において皮弁は問題なく生着し,早期可動域訓練を行うことができた.また義肢装着下に現職へ復帰することが可能であった.肘関節機能が温存されている場合は,たとえ切断端の挫滅が高度であっても,なんらかの皮弁移植術を施行することにより上腕切断を避けるように努めるべきである

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