クリエイティブ・クラスにおける文化的多様性とジェンダー格差 : 日本の主要都市を対象とした分析

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  • Cultural diversity and gender inequality in creative classes : Case study from major cities in Japan

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抄録

経済発展の源泉であるイノベーションを創出する上で、創造性と多様性は不可欠な要素であり、クリエイティブ・クラス(Creative Class: CC)やクリエイティブ資本論にもとづく実証分析の蓄積が進んでいる。一方、人種や文化的な多様性がイノベーションに貢献するメカニズムに関する既存研究によれば、異文化コミュニケーションの障害を克服することができれば、外国人や移民の文化的な多様性から利益を引き出すことが可能であるとの結果が示されている。ところで、代表的な国際比較の結果によれば、日本のクリエイティブ指数については、技術面は高いものの、人材や寛容性が低いことが示されている。しかしながら、日本の都市レベルを対象とした実証分析は少ない。さらに、文化的多様性と寛容性に着目した経済学的研究はほとんどない。そこで、本研究は、日本の主要都市を対象に、寛容性の果たす役割に着目しつつ、CCの分布を規定する要因とそれらが地域の持続的発展に及ぼす影響を計量経済学的に明らかにすることを目的とする。具体的には、アメニティ、寛容性及び雇用機会に関する諸変数を構築した上で、共分散構造分析を用いて、CCの分布の規定要因を明らかにするとともに、地域経済に及ぼす影響を明らかにする。最後に、持続的な都市発展を実現するための望ましい都市政策のあり方を考察する。

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