介護過程の教授方法の再検討:介護実習Ⅱを終えた学生に対するアセスメント部分の調査結果を手がかりに

書誌事項

タイトル別名
  • Reconsideration of the Teaching Methods of Care Process : A Study of the Results of the Class Evaluation Conducted After Students Took Care Practicum II
  • カイゴカテイ ノ キョウジュ ホウホウ ノ サイケントウ : カイゴジッシュウ Ⅱ オ オエタ ガクセイ ニ タイスル アセスメント ブブン ノ チョウサ ケッカ オ テガカリ ニ

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抄録

介護過程は、要介護者の生活ニーズを充足するための思考過程である。介護過程の入口として、要介護者を理解するアセスメントが重要である。アセスメントは要介護者の生活歴や現在の生活状況、心身の状態などの情報収集から、その情報の意味を解釈し要介護者の生活ニーズを明確化する部分である。 介護実習Ⅱは、介護過程のすべてを経験・実践することに重点が置かれる。学生は介護過程の入口であるアセスメントが重要であることを理解しているものの、生活ニーズを明確化するまでの難しさも感じている。科目担当教員も、学生が理解しやすいよう、アセスメント部分の教授方法について再検討の必要性を感じている。 本研究は、介護過程の教授方法の再検討への手がかりを得ることを目的とした。介護福祉士養成施設(2年課程)Z校に在籍する「介護実習Ⅱ」を終えた第2学年8名に対し、介護過程のアセスメント部分について質問用紙およびフォーカス・グループ・インタビューで調査を行った。 その結果、情報収集項目については概ね記述ができたものの、要介護者の活動、生活環境、個人因子について教授方法を再検討する必要が示唆された。授業に関する要望として「各情報項目について収集するねらいと注目するべき部分の教授」「生活ニーズを導き出すための視点の教授」「第三者にわかる文章化の教授」が挙がった。さらに第1学年では「多様な要介護者像の理解のため数多くの事例学習」、第2学年では「一つの事例について時間をかけたディスカッション」、「自分のアセスメント力を強化するため助言、指導」、「生活ニーズの優先順位の視点」の強化がインタビュー結果に顕れた。 学生のインタビュー結果は介護過程の教授方法の再検討へ向けて示唆に富む内容であった。この内容を踏まえつつ、介護過程の教授方法を向上させていく必要がある。

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