大学生のアンチ・ドーピングの知識に関する調査 : 体育系大学と薬学系大学の比較

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タイトル別名
  • Survey of anti-doping knowledge among university students : comparison between sports science and pharmaceutical science university students
  • ダイガクセイ ノ アンチ ・ ドーピング ノ チシキ ニ カンスル チョウサ : タイイクケイ ダイガク ト ヤクガクケイ ダイガク ノ ヒカク

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抄録

体育系大学生の多くは,現役の競技者であり,将来スポーツ指導者の道に進む者も多い。一方,薬学系大学生は,将来,薬剤師となり,競技者から薬に関する相談を受けることもある。両者とも,アンチ・ドーピングの知識を習得することは非常に重要である。本研究では,体育系および薬学系大学生が,どの程度のアンチ・ドーピングの知識を有しているかを調査し,比較することで,大学におけるアンチ・ドーピング教育プログラムを改善していくことを目的とした。体育系大学生288名(SS群),薬学系大学生299名(PS群)を対象に,8つに分類されたアンチ・ドーピングの知識についてのアンケートを実施し,アンチ・ドーピングの各カテゴリーごとにアンチ・ドーピング知識スコア(ADKS)を算出した。その結果,8つのカテゴリーのADKSの合計(T-ADKS)は,PS群の方がSS群よりも有意に高値であった。一方,カテゴリー別では,「アンチ・ドーピングの倫理・ルール」,「ドーピング検査・ドーピング違反」,および「ドーピング違反に対する制裁措置」の3つのカテゴリーの各ADKSは,両群とも比較的高かったが,「禁止表国際基準」,「薬の調べ方」,「禁止物質を含む薬」,「医師への相談・TUE」,および「サプリメントのリスク」の5つのカテゴリーの各ADKSは,両群とも低かった。また,両群とも,運動部加入者と非加入者,日常的に運動している者と運動していない者で,それぞれT-ADKSに有意差はなかった。本研究の結果,総合的なアンチ・ドーピングの知識レベルは,PS群の方がSS群よりも優れていたが,両群とも5つのカテゴリーではアンチ・ドーピングの知識が十分ではないことが明らかとなった。体育系および薬学系大学生がアンチ・ドーピングの知識レベルを向上させていくためには,すべての学生が,大学のカリキュラムに基づいた授業科目としてアンチ・ドーピング教育を受ける必要があることが示唆された。

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