IoC : Internet of Cows―インタラクション分析による放牧牛飼養管理システム―

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日本の農業は，過疎化・超高齢化による農業従事者の減少や後継者の不足といったさまざまな問題を抱えている．そこで，大きな期待が寄せられているのが，最新ICTテクノロジを利用して農業にイノベーションをもたらすスマート農業である．本稿では，スマート農業の新たな試みとして我々が推進しているInternet of Cowsプロジェクトのもとで開発した放牧牛飼養管理システムについて紹介する．本システムでは，放牧牛の首に装着したBLEタグを用いてリアルタイムに収集したビッグデータをもとに，牛の行動や位置を推定することにより，牛間のさまざまなインタラクション（相互作用）情報や，複数の牛で構成されるコミュニティに関する情報を取得する．その時間的な変化を解析・可視化することにより，個々の牛を追うだけでは見落とされがちであった微弱な発情兆候の的確な把握を可能とし，飼養管理の省力化や生産性の向上を実現する．牛の位置は，牛の首に装着したBLEタグから発せられるビーコン信号を放牧場周辺に設置したレシーバで受信し，その受信電力から深層学習により推定する．この位置情報から抽出した多様なインタラクション情報を用いた手法によって，実際の発情兆候を検知することに成功している．

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