[判例批評] 名義貸与の依頼を承諾して自動車の名義上の所有者兼使用者となった者が、自賠法3条の運行供用者に当たるとされた事例

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  • [Case review] A case where a "Vounger brother who acepted a request for name lending from his brother and became the owner and user of a car was judged to be an automobile operator under article 3 of the automobile liability act

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抄録

本件は、Aが所有し運転する普通乗用自動車に追突されて傷害を負った上告人らが、本件自動車の名義上の所有者兼使用者である被上告人に対し、自賠法3条に基づき、損害賠償を求めた事案である。原審はAに名義を貸与した被上告人が、本件自動車の運行について、同条にいう運行供用者に当たらないと判断したため、これに不服の上告人が上告し、運行供用者の該当性が争われた事案である。最高裁は、原審の事実認定に基づき、被上告人がAからの名義貸与の依頼を承諾して自動車の名義上の所有者兼使用者となり、Aが上記の承諾の下で所有していた自動車を運転して事故を起こした場合において、Aは、当時、生活保護を受けており、自己の名義で上記自動車を所有すると生活保護を受けることができなくなるおそれがあると考え、上記自動車を購入する際に、弟である被上告人に名義貸与を依頼したなどの事情の下では、被上告人は、上記自動車の運行について、自賠法3条にいう運行供用者に当たると判示した。本稿では、最判平成30年12月17日民集72巻6号1112頁の妥当性とその射程について考察を行うものである。

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