看護学生に視聴覚教材をオンデマンドに閲覧させる学習支援環境の評価

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  • Outcomes of a Computer-Based System Providing Audio-Visual Aids on Demand for Nursing Students

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抄録

要旨:本学看護学科専門基礎科目 2 科目の補助教材として選定した視聴覚教材を本学ウェブサイトからオンデマンドに閲覧できるように学習支援環境を構築した.本研究の目的は,この学習課支援環境に対する学生の反応を調査,考察することである.「フィジカルアセスメント」と「治療へのケア」は看護専門知識と精神運動領域技術を学び,看護実践に重要な知識と技術を習得する必修専門基礎科目である.情報通信技術の進歩に伴って映像ファイルによる情報表現の教育への効果は報告されつつあるが,看護学教育における効果や活用方法に関する報告は限られている. 本研究は,上記 2 科目の履修登録をした本学看護学部看護学科 2 年次生 59 名のうち,質問紙調査への参加に同意の得られた 58 名の有効回答を用いた量的研究で,本学倫理委員会の承認を得て実施した.結果では,60.3%の学生が自宅で閲覧し,58.6%の学生が概ねアクセスしやすいと回答した.また,77.7%の学生がオンデマンドの視聴覚教材の活用は予習に役立った,77.7%の学生が復習に役立った,74.1%の学生が各自の学習目標達成に有用だったと回答した.さらに,74.1%の学生が当該科目終了後もオンデマンドによる閲覧の継続を希望した. 本学習支援環境は,各自の学習意欲に応じて視聴覚教材を何度も繰り返してみることができる.しかし,それは自宅および大学,またはその他の場所のネットワーク接続可能なパーソナルコンピュータのみでの閲覧である.今後,携帯可能な情報通信機器を活用した場合には,本学習支援環境の効果をさらに高める可能性があることを,学生の自由記述から観取された. これらの結果から,視聴覚教材をウェブサイトの共有動画ファイルとしてオンデマンドで閲覧できるシステムは,主体的に実践的看護技術の学習に取り組む学生の学習支援環境拡大に貢献すると言える.

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