交配後の笑気ガス処理による四倍体シンテッポウユリの作出

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タイトル別名
  • Induction of tetraploid Lilium × formolongi hort. by treatment of nitrous oxide gas after pollination
  • コウハイ ゴ ノ ショウキ ガス ショリ ニ ヨル ヨンバイタイ シンテッポウユリ ノ サクシュツ

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抄録

観賞用植物における倍数体では、日持ち性の向上、花色の濃色化、花型の巨大化などの有望形質が報告されている。花きでは、さらに新たな形質が求められており、倍数性育種の利用が今後ますます進んでいくと思われる。ユリの倍数性育種には、これまでにコルヒチン処理が主に用いられてきた。しかしながら、コルヒチンは変異原作用をもつため、キメラ個体の出現などの問題点がある。本試験では、コルヒチン処理に代わる染色体倍加法として笑気ガス処理による四倍体の作出方法について検討した。供試品種はシンテッポウユリ品種‘雷山2号’と‘北沢早生’の交配系統で、これらの交配後5、7、9、11、13、15日目にそれぞれ6気圧で72時間の処理を行ったところ、交配後13日目の処理で四倍体が95%と最も高頻度で作出された。四倍体の作出条件の品種間差異を確認するために、子房親として‘雷山2号’、‘優雅中早生’、‘オーガスタ’の3品種、花粉親として‘北沢早生’、‘雷山2号’、‘ホワイトランサー’の3品種を子房親として、任意に8通りの組み合わせで交配を行い、交配13日後から6気圧、72時間の笑気ガス処理を行ったところ、73~100%の四倍体作出率であったことから、シンテッポウユリにおいて交配後の笑気ガス処理は四倍体を効率的に作出できることを明らかにした。

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