菓子用途に向けた北海道産小麦「きたほなみ」の特性に関する研究

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タイトル別名
  • Evaluation of confectionery processing quality of “Kitahonami” , a wheat cultivar in Hokkaido

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抄録

道産中力粉向け小麦品種「きたほなみ」の菓子用薄力粉用途としての適性を把握するため,試験製粉を行い,各ストリームの特性を輸入小麦市販粉と比較した。スポンジケーキのボリューム,官能評点はすべてのストリームで大きく劣った。クッキーでは物理的特性,官能評価とも明らかな差は認められなかった。ストリーム間で有意な差が認められた小麦粉特性はたんぱく質含量,粒径分布などで,クラスター分析において輸入小麦市販粉に最も近いとされたのは高品位のブレーキロール粉であった。なお,これらは輸入小麦を除いた各クラスターの中では最も高い菓子加工適性を示した。主成分分析により抽出した主要ベクトルからは,輸入小麦の品質に近づくための方向として,低たんぱく質原料ロットを用い,高品位のブレーキロール粉を主体とした低歩留のパテント粉とすることが望まれた一方,菓子品質に影響するものの遺伝的要因のため改変が困難な形質(グルテンの質やデンプン組成)も示唆された。

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