サシバエの一飼育法と吸血量について

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タイトル別名
  • サシバエ ノ イチ シイクホウ ト キュウケツリョウ ニ ツイテ
  • A Rearing Method of Stable Fly and Quantity of Blood Taken up by a Fly

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抄録

産卵及び幼虫飼育用培基として豆腐粕,米ぬか,エビオス及びスキムミルクに,熱湯処理した切わらを加えた混合物を用い,羽化成虫には1日1回以上2~3時間,生きた家兎から直接吸血させることによってサシバエを累代飼育することに成功した.この方法で飼育した場合のサシバエの発育日数は飼育温度26℃で平均20日間,成虫の生存期間は平均15日間であった.得られた蛹の大きさは蛹化直後に長さ5.8mm, 巾2.3mm,重さ15.4mgで6日目即ち羽化の前日には長さと巾は殆んど変化しないが,重さは約15%減少する.羽化当日の成虫の大きさは雌では体長5.8mm,頭巾2.1mm体重7.9mgで,雄では各値共やや小さい,体重は2日後には約3/4に減少する.羽化成虫は羽化当日又は翌日から吸血を始めるが数日後に最も多量に吸血するようになる.1回の吸血量は平均,雌では16.43mg,雄では9.45mgで吸血前の体重の夫々1.12倍と0.93倍に相当する.雌の受精率は羽化後5日目頃から上昇し始め8日目には80%,9日目には90%に達する.成熟卵保有率は6日目から急に上昇し,7日目には100%に達する.産卵は普通羽化後10日目頃に行なわれ,産卵を終った雌は急に衰弱するようで,一世代中の産卵回数は比較的少ないように思われる.

A method was devised for rearing the stable fly, Stomoxys calcitrans. By this method a laboratory colony originated from local strain was established, and the development, longevity, and the quantity of blood taken at a full meal by an adult of each sex w

長崎大学風土病紀要 7(4), p.296-301, 1965

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