所謂「ヌタ」(微細附着泥土)中の有機物について

書誌事項

タイトル別名
  • イワユル ヌタ ビサイ フチャク デイド ナカ ノ ユウキブツ ニ ツイテ
  • On the Organic Matter contaiend in the so-called "Nuta" (Fine Attaching Mud)

この論文をさがす

抄録

海水中の微細浮遊物を漁網に附着させて採集したヌタ中の有機物量と採集の時期,深度,期間等との関係につき測定した結果を要約すると次の通りである. 1 試験網に附着したヌタ中の有機物量は,試験網の設置期間の増加に従って顕著に増加するが,有機物含有率の増加は極く僅かである. 2. 試験網に附く浮遊物中の有機物含有率は四季を通じてあまり変化しないが,その絶対量は冬期にくらべて夏期に多い. 3. ヌタ中の有機物量は試験網の設置期間の長短とは無関係に7月および8月には2~3m層に多く,12月および1月には表層に多い.即ちヌタの量は太陽光線或は水温によって何等かの影響をうけているものと思われる. 4. ヌタ中の還元糖量の増減も炭素量および窒素量の増減とほぼ同様の傾向を示す. 5. 冬期は夏期にくらべて動物質が少なく反対に植物質が多い. 6. ヌタに含まれているdiatomは有機物量を左右する程多くない.

長崎大学水産学部研究報告, v.12, pp.78-82; 1962

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ