茶園におけるナガチャコガネに対する性フェロモンを用いた交信攪乱の試み

書誌事項

タイトル別名
  • Communication disruption with synthetic sex pheromones in the yellowish elongate chafer, Heptophylla picea Motschulsky (Coleoptera: Scarabaeidae), in tea fields
  • サエン ニ オケル ナガチャコガネ ニ タイスル セイ フェロモン オ モチイタ コウシン カクラン ノ ココロミ

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説明

現地茶園においてナガチャコガネを対象に合成性フェロモン(Z)-7,15-hexadecadien-4-olideを用いた交信攪乱による防除を様々な処理方法により複数年にわたって試みた。合成性フェロモンを含浸させたゴムセプタムを放出源として使った試験ではゴムセプタムあたり10mg以上で有効性が確認され,約555個/10a設置の試験ではフェロモントラップによる誘引阻害率は82.6~96.0%,雌成虫の交尾阻害率は15.0~54.5%であった。ロープ状製剤を用いた試験(ロープ116~196m/10a)では,誘引阻害率52.2~85.8%であった。シーダーテープ製剤を用いた試験(ロープ状製剤66m/10a相当)では,誘引阻害率76.5%,交尾阻害率32.0~59.7%であった。いずれの試験でも,次世代幼虫密度および翌年一番茶芽被害の抑制効果ははっきりしなかった。総じて,ナガチャコガネに対する合成性フェロモンを用いた交信攪乱による防除効果は,現状では不十分と考えられた。

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