ブドウ‘シャインマスカット’における花蕾黒変症状の発生要因と対策

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タイトル別名
  • Occurrence factors and corrective measures on "Flower Bud Blackening Disorder" in 'Shine Muscat' grape
  • ブドウ'シャインマスカット'ニ オケル カツボミコク ヘン ショウジョウ ノ ハッセイ ヨウイン ト タイサク

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抄録

ブドウ‘シャインマスカット’の加温および無加温栽培において,展葉7枚期頃~開花期に発生する花蕾黒変症状の発生原因,発生実態および対策について検討した。花蕾黒変症状の主因は晩腐病ではないと考えられた。花蕾黒変症状の発生は,喬化性台樹が準わい化性台樹と比較し有意に多かった。養液土耕点滴かん水システム導入園で,土壌表面にマルチを敷設している園では,発生がほとんどみられなかった。花蕾黒変症状は,花房周辺湿度に関わらず多かん水処理区で発生した。花蕾黒変発生花房では,その後の花振るいの発生程度が高かった。花蕾黒変症状が発生している新梢は,体積含水量が多く,発生花房は花蕾内に水滴が認められた。これらのことから,花蕾黒変症状は,花房が開花に至る1カ月弱の期間中に,根からの吸水が極めて旺盛になった場合,花蕾内が過湿状態となり,結露することによって生じる生理障害と考えられる。

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