上腸間膜動脈症候群を発症したMarfan症候群類縁疾患患者に対して開腹十二指腸空腸バイパス術を行った 1 例

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タイトル別名
  • A CASE OF MARFAN SYNDROME-RELATED DISEASE IN A PATIENT WITH SUPERIOR MESENTERIC ARTERY SYNDROME TREATED BY OPEN DUODENAL JEJUNAL BYPASS

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説明

上腸間膜動脈症候群(Superior mesenteric artery syndrome: SMA症候群)は急性腹症を示す稀な疾患であり,若年の痩せ型の女性に多いとされる.今回我々は,腹部大動脈人工血管置換術(SMA再建施行)の若年男性に発症したSMA症候群を経験した.症例は19歳男性,Marfan症候群類縁疾患患者であり,胸腹部大動脈瘤に対して腹部大動脈人工血管置換術(CEA・SMA再建)を行った既往がある.昼食後に突然の腹痛・嘔気・嘔吐が出現し,当院救急外来を受診した.単純CT検査で,十二指腸水平脚がSMAと腹部大動脈に挟まれて狭小化し,胃・十二指腸の拡張および液体貯留を認めたことから,SMA症候群と診断した.腸管減圧,絶食,補液などの保存的治療を施行したが改善はみられず,空腸・十二指腸吻合を行った.術後SMA症候群の再発はなく,外来経過観察中である.今回,腹部人工血管置換術後に生じたSMA症候群であり,稀な疾患である為文献的考察も交えて報告する.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 71 (4), 567-570, 2020-10-30

    横浜市立大学医学会

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