岩手県におけるリンゴ急性衰弱症の発生生態

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タイトル別名
  • Epidemiology of apple quick decline associated with Dickeya dadantii in Iwate Prefecture
  • イワテケン ニ オケル リンゴ キュウセイ スイジャクショウ ノ ハッセイ セイタイ

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説明

岩手県では,2014年以降,樹齢5~7年未満のJM7台木樹の若木を中心に,接木部周辺樹皮からの樹液漏出を伴うリンゴの急性衰弱症が発生し問題となっている。そこで,県内におけるリンゴ急性衰弱症の発生実態および樹液漏出と急性衰弱症の関係を調査した。その結果,本症の発生は,M.26台木樹と比較してJM7台木樹において明らかに多かった。また,接木部周辺樹皮からの樹液漏出が確認された樹において,本症の発症が有意に多かった。これらのことから,接木部周辺に生じた亀裂からの樹液漏出は,急性衰弱症の初期症状と推定された。また,JM7台木樹で本症の発生が多い理由は,生育期間中の降雨後に接木部周辺の樹皮が膨張し,亀裂が生じやすいためと考えられた。以上のことから,当面の対策として,接木部周辺の亀裂が生じにくく,樹液漏出の発生が少ないM.26台木樹を選択することは被害回避法の一つと考えられた。

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