タカアシガニ成体雌の飼育生残日数に及ぼす海洋深層水利用の効果と最終脱皮存在の可能性

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タイトル別名
  • Survival and terminal molting of adult female giant spider crabs (Macrocheira kaempferi) in deep seawater captivity
  • タカアシガニ セイタイ メス ノ シイクセイザンニッスウ ニ オヨボス カイヨウ シンソウ ミズリヨウ ノ コウカ ト サイシュウ ダッピ ソンザイ ノ カノウセイ

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抄録

タカアシガニ成体雌の飼育生残日数への海洋深層水利用の影響について,表層水や調温水利用などの結果と比較することにより,検討を行った。平均生残日数を比較すると,表層水自然水温区(平均77.6日,水温12~27℃)が一番短く,397m海洋深層水自然水温区(1,218.7日,10℃)と687m海洋深層水自然水温区(979.3日,8℃)のグループが一番長く,それらの中間に位置するのが循環表層水15℃区(287.2日),表層水15℃区(367.6日),397m海洋深層水15℃区(345.8日),687m海洋深層水15℃区(272.0日)のグループであった。海洋深層水を利用したことによる本種の生残日数の増加は,海洋深層水の特徴の一つである低水温性が大きく関与していた。1,798日の最長生残個体を含む飼育156個体すべてにおいて,脱皮は観察されなかったことは,本種でも最終脱皮が存在することを示唆し,その場合最終脱皮後5年程度は生残可能であった。

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