福島県におけるマメ科緑肥作物でのアルファルファタコゾウムシの発生状況

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タイトル別名
  • Occurrence of the alfalfa weevil, Hypera postica, on leguminous green manure crops in Fukushima Prefecture
  • フクシマケン ニ オケル マメカ リョクヒ サクモツ デ ノ アルファルファタコゾウムシ ノ ハッセイ ジョウキョウ

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抄録

東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故では,福島県内12市町村に避難指示が出された。これらの地域では表土剥ぎおよび客土といった大規模な農地除染が行われた。相馬郡飯舘村の除染後農地では,地力回復,景観形成を目的にレンゲ栽培の取り組みが行われたが,2016年5月にアルファルファタコゾウムシの寄生ならびに食害が確認された。そこで,避難指示が出された地域における発生分布調査を実施するとともに,地力回復を目的とした5つのマメ科緑肥作物における本種の発生状況を調査した。分布調査の結果,本種は避難指示が出された地域に広く分布していることが明らかとなった。マメ科緑肥作物では,成虫の寄生が1月から確認され,幼虫の発生は4月下旬,繭は5月上旬であった。5月上旬の本種寄生密度は,ヘアリーベッチおよびレンゲで高く,クローバ類3種では低かった。ヘアリーベッチは,本種が多数寄生するものの作物乾物量が多いことから,地力回復を目的とした秋冬作のマメ科緑肥作物として適していると考えられた。

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