The effect of deer on tree population dynamics in subalpine coniferous forests : From the comparison between within and out of deer fence after 5 years from establishment

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  • 亜高山帯針葉樹林の更新動態にニホンジカが与える影響 : 防鹿柵設置5年後の比較から
  • アコウザンタイ シンヨウジュリン ノ コウシン ドウタイ ニ ニホンジカ ガ アタエル エイキョウ : ボウカ サク セッチ 5ネンゴ ノ ヒカク カラ

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ニホンジカによる摂食が亜高山帯針葉樹林の動態に与える影響を明らかにするため、2010年に南アルプス国立公園の北沢峠周辺の亜高山帯針葉樹林において調査区を設定し、立木(高さ1.3mの直径DBHが3cm以上)および稚樹(樹高30cm以上でDBH3cm未満)のサイズ、樹種、剥皮率(周囲長に占める剥皮部分の割合)を調査した。また、調査区の半数に防鹿柵を設置した。2014年に同様の調査を行った。2010年時点で、立木よりも稚樹の方が剥皮率が高く、特に標高2000m付近の調査区における死亡稚樹に占める剥皮率は、平均で94.4%と非常に高かった。2014年に新たに発生した剥皮は立木及び稚樹で非常に少なく、更新した立木及び稚樹の数は柵内外で差が見られなかった。2010年に生存していて2014年に死亡した立木及び稚樹は、2010年時点での剥皮率が高い個体であった。そのため、この5年間においてニホンジカによる剥皮は少なかったものの、稚樹を選択的に剥皮し、剥皮率が高い場合に立木や稚樹の死亡率を高めることで、ニホンジカは亜高山帯針葉樹林の樹木の動態に影響を与えると考えられた。

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