内発的動機づけが外発的動機づけに与える影響モデルと外発的動機づけが内発的動機づけに与える影響モデルの比較検証 : 中学校の英語学習者の動機づけにおいて

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本研究は,中学生を対象とした英語学習において,外発的動機づけが内発的動機づけに与える影響と, 内発的動機づけが外発的動機づけに与える影響を分析した。主な先行研究では,内発的動機づけが第2 言語の学習の継続に影響を与えると報告されているが,試験のためという外発的動機づけにより中学生が学習に向かうことを報告している研究もある。原・金子 (2019) による,中学生を対象とした英語学習の動機づけを測定する尺度開発研究の結果,「異文化交流動機」,「進路達成動機」,「自発的学習動 機」の3 因子が発見された。これらの3 つの変数をもとに,「自発的学習動機」を内発的動機づけとみなし,「異文化交流動機」と「進路達成動機」を外発的動機づけとみなし,それぞれの動機づけの影響 について共分散構造分析(構造方程式モデリング)を行ったところ,内発的動機づけが外発的動機づけに 与える影響を分析したモデルと,外発的動機づけが内発的動機づけに与える影響を分析したモデルの適合度指標の高さは,両者とも良好であった。以上より,内発的動機づけと外発的動機づけは双方向に影響を及ぼすことが明らかとなった。また,「進路達成動機」が非常に強い影響力を持つ因子であること,「異文化交流動機」はそれよりも弱く,他の学習活動にあまり強い影響を与えないことが示唆された。

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