懐徳堂の中庸解釈

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  • The interpretation of the "Golden Mean" by Kaitokudo

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抄録

懐徳堂は18 世紀初期の大坂に設立された町人学問所である。18 世紀後期には江戸の幕府官立学校昌平黌をしのぐといわれる学問水準の高さを誇ったにもかかわらず、近代の思想史研究は懐徳堂の思想的価値を正当に評価してこなかった。わずかに富永仲基や山片蟠桃などを懐徳堂という基盤から切り離し、天才として顕彰したに止まる。 本稿は『中庸』首章と、鬼神章(第16 章)の五井蘭洲と中井履軒による解釈を中心に、懐徳堂の宇宙論、人性論がどのような認識の枠組みの上に展開されているのかを考察した。そしてそれが朱子学的形而上学を解体した伊藤仁斎の古義学とどのような関係にあるのかを明らかにすることを目指すものである。

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