激動する東アジアと中国の脅威 ─チベット人の立場から─

書誌事項

タイトル別名
  • Drastic Chinese Threat and East Asia : From a Tibetan Perspective
  • ゲキドウ スル ヒガシアジア ト チュウゴク ノ キョウイ : チベットジン ノ タチバ カラ

この論文をさがす

抄録

中国発の新型コロナウイルスの蔓延により、世界中が混乱している。だが、習近平政権は、この混乱を逆に利用し、チベット、ウイグル、内モンゴルにおける人権弾圧、香港への支配強化に力を入れ、覇権主義的な行動を加速させている。これは日本にとっても他人事ではない。近年の中国による透明性を欠いた軍事力の増強、無秩序な海洋進出は、安全保障上の大きなリスクとなっている。新型コロナウイルスの影響で「一帯一路」構想は以前と比べ、多少、鈍化しているようにも見えるが、停止はしていない。中国の世界覇権への欲望と戦略は、コロナ前、コロナ後も基本的には大きな変化はなく一貫しているのである。今、日本に必要なのは「懸念」や「憂慮」といった言葉だけで中国政府を批判するのではなく、侵略と弾圧、そして覇権主義を中国に放棄させるために、国際社会と連携しながら具体的な行動を起こすことではないだろうか。本稿では、近年の東アジアの動向を整理した上で、私たちは今後、中国とどう向き合うべきなのかについて元チベット人という立場から考えてみたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ