European Views of Taiwanese Aborigines, the 1870-1880s and Early 1920s ─New Research and Historical Sources

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  • 欧州から見た台湾原住民,1870~1880年代及び1920初代 ―新しい研究と資料

Abstract

西洋における台湾研究の主な先駆者は海軍軍人,外交官やキリスト教宣教師であった。ロシアにおける台湾研究の開拓者である海軍将校パーウエル・イビス(Pavel Ibis;1852~1877年)は,近代台湾に関する西洋の代表的研究者としても知られている。ロシアの資料館で発掘・調査された資料に基づく彼の最初の評伝は,その生涯と活動に関する多くの新事実を公にしている。 1875年1月にイビスが敢行したロシア初の台湾探検は,「上から」の命令ではなく,イビスの「下から」のイニシアチブにより司令官がそれを許可し,支持することによって実現したことが,明らかになった。 イビスは,大学などの専門教育を受けていないが,帝国ロシア地理学会が作成・編集した『民族学計画』と『地域民族記録計画』を利用することで,台湾原住民に対する学術的価値の高い研究業績を残すことができた。1884~1885年の清仏戦争中,フランス海軍の軍人は,客家や台湾原住民とも直接に接触できたので,興味深い関係情報を記録に残した。その記録中の一編『ジャン見習水夫の私書』は,本論で紹介している。 イギリスの元植民地行政官僚オーヴェン・ラッター(Owen Rutter;1889~1944年)は1921年,台湾を訪問・視察した際,日本の植民政策と台湾開発を高く評価したが,原住民の同化政策を具体的に批判し,おおむね失敗に終わったと論じた。

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