学校教員の子どもの貧困問題に対する認識と支援経験の特徴
書誌事項
- タイトル別名
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- Cognition of Child Poverty and the Experience of Support by School Teachers
抄録
type:論文
本研究の目的は,子どもの貧困問題に対する学校教員の認識や支援経験の特徴を明らかにすることであった。小学校,中学校,高校に勤務する現職の教員315 名を対象に,生活困窮世帯の子どもおよび親が抱える問題,生活困窮世帯の子どもおよび親への支援経験とその課題,そして子どもの貧困に関する法制度に関する項目から構成されるアンケートを実施した。その結果,小学校教員は,子どもの学習面,生活面,対人面の問題を多く認識し,衣食や学習に関する支援を多く経験していた。中学校教員は,スクール・ソーシャルワーカーや福祉事務所との連携・協働を多く経験していた。高校教員は,子どもの問題理解の認識の程度が全般的に低く,支援経験も少なかった。勤続年数が長いほど,親の学校への関与の希薄さを認識し,生活保護や就学援助といった福祉制度と関連する支援を多く経験していた。教員の半数以上が貧困支援に伴う全般的な難しさを感じている一方で,子どもの貧困に関する法制度を知っている教員は半数に満たなかった。子どもの貧困に関する法制度と共に,それらと関連する支援サービスが学校や教員に周知される仕組み作りが必要である。
収録刊行物
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- 人文学部研究論集
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人文学部研究論集 45 15-33, 2021-01
中部大学人文学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050850777433679872
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- NII論文ID
- 120007026896
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- ISSN
- 13446037
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN