高麗の僞経『現行西方經』について (仏教部門基礎研究「浄土教典籍目録の作成」研究班)

書誌事項

タイトル別名
  • コウライ ノ ギケイ ゲンコウ サイホウキョウ ニ ツイテ
  • A Preliminary Study on the Apocryphal Sutra from Goryeo, Hen Hiang Se Bang Geng

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抄録

『現行西方經』は,高麗で成立した偽経で,海東永州公山の元(「日」の下に「山」)が録したと伝えられる。本書は阿弥陀・浄土信仰を背景とする占法を説く文献で,浄土における上品上生から地獄界に至るまでの来世を,木片を使用して占う方法を詳解している。 本書は高麗の浄土信仰に基づく儀礼を伝え,高麗の浄土信仰の一面を伺わせる貴重な資料である。本書の背景には,新羅時代より始まる「占察法会」があるとされてきた。 本稿では,『現行西方經』中に引用される文献を検討し,本書がむしろ『慈悲道場懺法』と強い関係を有していること,また本書が禅典籍の知識―不正確ではあるが―を有する人物によって編されたことを指摘する。

identifier:SK001600002361

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