戦前期、山村部落青年団の弁論会、その史的考察 : 山形県「塩根川向上会」を事例として

書誌事項

タイトル別名
  • センゼンキ 、 サンソン ブラク セイネンダン ノ ベンロンカイ 、 ソノ シテキ コウサツ : ヤマガタケン 「 シオ コンガワ コウジョウカイ 」 オ ジレイ ト シテ
  • A Historical Study on The Speech Contests held by the members of One Young people's association in the prewar period (1928-1937) : Focusing on the case of "Shionegawa Kojo-kai" in a Small Community in Yamagata Prefecture

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抄録

昭和3(1928)年4月、山形県最上郡及位(のぞき)村塩根川部落(現同郡真室川町及位)に「塩根川向上会」と称する青年団が設立された。この会の性格は、「向上之礎」に「我等ハ自治ヲ本領トシ会員相互ノ向上弥栄ヲ理想トス」と表明された決意文に集約され、その「理想」追求のため、事業は文化活動と会員福祉とにほぼ特化された。本稿は特に同会の弁論部の活動をとりあげ、その論題を分析することで、共同体が同調を期待する伝統規範的行動基準に合致した若者の役割と国家が期待する青年像との狭間で、自らの存在様式を模索する若者たちの姿を透視することを課題の中心に据えた。そして得られた結論は、第1に、弁論会は近代「青年」を指向した「塩根川向上会」の若者たちの意思表示的事業であり、そのための自己改造訓練の一環であった可能性を示唆するものであり。第2に、当該時期の東北農村の経済的困窮という課題解決のために、農村における自らの存在様式を変更したいと苦悩する若者の姿を浮上させた。

青年団

弁論会

山形県及位村

「塩利川向上会」

identifier:DB004200007544

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