複文前句における「あり」の朧化用法
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Abstract
古代語の動詞「あり」には、対比的な構造の複文において後句の事態・程度などを強調するため、前句の述語においてその具体的実質的な意味を朧化すると見てよい用法がある。その全体像を明らかにするため、動詞「あり」の上に位置して後句との対比にそなえる係助詞・副助詞と、両句の接続形式とを指標として、その用法の認められる複文構造を、「......はあれど」型、「......しもあれ」型、「......こそあれ」型、「......だにあるを」型、「......さへあるに」型に区別し、各型における両句の類義性・対義性、後句への展開における飛躍の有無、時代的分布などを検討した。近代語では衰退するが、その用法が古代語を中心に維持された理由と、それに取って替わった近代語の類義表現の存在にも言及した。
identifier:KG000300000323
Journal
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- 京都語文
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京都語文 3 198-223, 1998-10-03
佛教大学国語国文学会
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050850788622666496
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- NII Article ID
- 110007973946
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- NII Book ID
- AN10591104
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- ISSN
- 13424254
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- CiNii Articles