Malaria and Malaria Control Program in Coastal and Mountainous Areas in Lombok and Sumbawa, Indonesia

この論文をさがす

抄録

本稿は,2005年にマラリア・アウトブレイクの発生したインドネシア,西ヌサテンガラ(NTB)州ロンボク島とスンバワ島における,自然環境が異なる山岳奥地部と沿岸島嶼部の4村(1019サンプル),すなわち,前者の東ロンボクPerigi村(298名)Sepit村(198名),後者の北スンバワBungin村(325名)東ロンボクPemongkong村(198名)で実施した『マラリア血液検査データ』と『マラリアに関する住民意識と行動に関する社会疫学調査』(CBDESS II,2007)のデータ解析し,「マラリアとマラリア対策」に関する地域問比較研究を行う。同調査によると,アウトブレイクが発生した4つの地域では,マラリア知識の不足が顕著であり,その基因として極めて劣悪な教育レベルが存在する。対象者の20%もが全くの無就学(非識字)状態で,マラリア知識と教育水準には相関がみられる。男女間での教育格差は地域間で相違がある。ジェンダー差別が母子マラリアの感染拡大と関連することを考えると,マラリア教育とともに女性地位の向上はマラリア対策にとって重要である。マラリア情報源をみると,情報通信網が完備していない対象地域では,新聞,ラジオ・テレビよりも地域リーダー,とくに宗教指導者の役割が重要である。地域活動と地域紐帯には相関がみられ,かっ地域間相違がある。マラリア感染拡大の地域間比較を目指した本研究は,マラリア教育や地域活動,地域紐帯のような社会学的要因とそれに基づく社会的解決の重要性を示唆している。

マラリア

社会疫学研究

アウトブレイク

ロンボク島

スンバワ島

インドネシア

identifier:SO005100000998

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ