緩和ケア医療における宗教的スピリチュアルケアの必要性について : 特に仏教について

書誌事項

タイトル別名
  • カンワ ケア イリョウ ニ オケル シュウキョウテキ スピリチュアルケア ノ ヒツヨウセイ ニ ツイテ トクニ ブッキョウ ニ ツイテ
  • The Possibility of spiritual care As Palliative Medicine in Buddhism

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抄録

緩和ケア医療でのスピリチュアルケアは、その診断と治療が共に傾聴であること、治療者の能力、患者の背景などが複雑に関与することから、難しい医療行為である。国外では、キリスト教、仏教共に、宗教者の緩和ケア医療への関与は積極的であるが、国内では仏教の緩和ケア医療への関与は希薄である。原始仏教経典、特にマハーパリニッバーナ・スッタは緩和ケア医療のスピリチュアルケアに有用と考える。即ち、当時超高齢者であった釈尊は、最後の遊行で急性腸炎によって死亡したが、その極端な衰弱状態でも、諸行無常、自帰依、八正道を説き、その思索は安定していた。そのスピリチュアリティの安寧は、普遍的な宗教哲学を考え出した達成感と共感する他者の存在が要因であったと推察される。社会環境が唯物的な本邦における終末期患者のスピリチュアリティの安定には、そのスピリチュアルケアにおいて、人生の達成感と共感できる他者を形成する支援が肝要であり、そして仏教の根本精神である慈悲を基本とすべきである。

緩和ケア医療

スピリチュアルケア

ホスピス

ビハーラ運動

大パリニッバーナ経

identifier:DB003900003075

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