係り結び体制末期の新旧連立形式 : 機能の新旧連立性

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抄録

文中の特定成分を卓示強調するため、文の論理的な成分関係に強い情意の介入する仕組みであった、狭義の係り結びは、論理的な成分関係を示す格助詞の振る舞いなど、その周辺の構文規則とも連関しながら、古代語の構文を構造的に特徴づけていたと言える。本稿は、そういう体制的なありように注意するとともに、中世における係り結びの崩壊とその周辺の諸現象とを、古代語的な旧い構文体制が、文の成分の論理関係を重視する、近代語の新しい構文体制に移っていく過程として捉える試みである。具体的には、そうした体制的な観点に立って、旧い係り結び体制の衰退していく中世には、体制の推移を円滑化するため、新旧の機能の連立した形式が、種々の形で認められることを、重点的に指摘している。

identifier:KG000100000290

収録刊行物

  • 京都語文

    京都語文 1 150-169, 1996-10-19

    佛教大学国語国文学会

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