託宣と八幡神

書誌事項

タイトル別名
  • タクセン ト ハチマンシン
  • Takusen (Oracle) and Hachimanshin

この論文をさがす

抄録

託宣は、基本的に「神的なるもの」と人の交渉を指す言葉である。現状、託宣は研究語彙として、憑依現象による神の言葉として理解されている。このような場合には、人類史に普遍的な宗教・信仰の現象をとらえるための方法として位置づけることができる。対して歴史的語彙としての「託宣」は、『続日本紀』の八幡神に関する記述にはじめてあらわれる。このことには、律令国家の史書として一連のテキストである『日本書紀』と『続日本紀』の歴史叙述の性質の違いと、東大寺盧舎那仏建立において達成され、またその記事に示される仏と神とを配する世界観の構築という文脈を確認することができる。「託宣」と八幡神は、『続日本紀』の記述において、限定的で固有な結びつきを有していたのであり、その事実は、歴史的語彙としての「託宣」に着目することで明らかとなる。

託宣

八幡神

続日本紀

神祇信仰

identifier:DB003900003086

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ