全体的不平等測度によるアダムズ方式の評価

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タイトル別名
  • ゼンタイテキ フビョウドウ ソクド ニ ヨル アダムズ ホウシキ ノ ヒョウカ
  • Evaluation of the Adams Method in the Light of Global Inequality Measures

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抄録

本稿は変動係数,タイル測度,MLD,ジニ係数といった全体的不平等測度を用いて,日本の国政選挙で採用予定のアダムズ方式による議席配分と,他の配分方式によるそれを比較評価した。具体的には,ローレンツ優越の概念から「検討に値する配分の集合」(LD集合)を定義し,そこにおけるアダムズ方式の解の不平等度(1人あたりの議席数,1議席あたりの人口の)の順位を,合衆国(下院)と日本(衆院)のデータを使って調べた。その結果,アダムズ方式の解の不平等度はLD集合の中で,最悪の部類に属することが明らかにされた。また,アダムズ方式に内在する平等観(1人あたりの議席数の底上げのみを目指すこと)が,全体的不平等測度と相容れないものであること,そして,その平等観の副産物として,人口の少ない地区への議席の偏りが生じることが明らかにされた。

アダムズ方式

全体的不平等測度

LD集合

identifier:SO007000010390

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