海外における市民メディア活動がもたらすもの : コミュニティラジオの担い手の意識に着目して

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タイトル別名
  • カイガイ ニ オケル シミン メディア カツドウ ガ モタラス モノ : コミュニティラジオ ノ ニナイテ ノ イシキ ニ チャクモク シテ
  • Transnationalism and the Role of Overseas Community Media: Perspectives from Broadcasters and Impacts on Ethnic Communities

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抄録

本論文は、メルボルンの多言語放送ラジオ局である3ZZZのメンバーの市民メディア活動に着目して、番組制作活動がもたらす意識の変容を探るものである。近年、グローバル化の進展により、人々が海外を拠点に生活するケースが増えている。こうした日本からの移住者や留学生らに向けて情報発信を行っているのがエスニックメディアであり、日本人コミュニティに有益な情報を提供するほか、ホスト社会との架け橋になる役割を担っている。本研究では、市民のメディア制作の意義を強調する市民メディア研究の知見を援用するとともに、母国を離れて海外で暮らす人々に特有のトランスナショナルな意識醸成の視点も加えて担い手の意識を探った。放送メンバーの聞き取り調査の結果、メディア表現を通してコミュニティへの寄与を内面化し、公共性意識が高まる側面が明らかになった。さらに、トランスナショナルな意識については、日本への思いの強化などのナショナリスティックな側面と母国を客観視、相対化する視点の獲得というアンビバレントな意識をメンバーが持つようになる点も明らかになった。

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