障害者水泳をアダプテッド・スポーツにする―「待つ」という実践的行為に注目して―

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タイトル別名
  • ショウガイシャ スイエイ オ アダプテッド ・ スポーツ ニ スル : 「 マツ 」 ト イウ ジッセンテキ コウイ ニ チュウモク シテ
  • “Waiting” in Social Relationship: Focusing on the Process of Adapted Sports

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抄録

type:Article

本稿は,障害者水泳の指導員と生徒との関係性にみられる「待つ」という実践的行為に焦点をあてる。1節では,問題関心として障害者水泳の指導員たちの諸実践にアプローチすることの意義が提示される。つづく2節では,障害のある人のスポーツの社会的位置づけを概観しながら,「アダプテッド・スポーツ」の理念について検討し,「競技性」を重視したアスリート中心のリアリティが析出されていく傾向にたいし,「競技性」以前の領域の意義について「障害の関係者」という視点に言及しながら検討する。また,3節では,障害者水泳の指導員に要請される「待つ」という実践的行為が具体的にいかなるものかを確認するために,福祉場面における介助実践を概観し,「待てるようになる」ところからはじめられる関係性の契機について考察していく。つづく4節において,具体的な事例検討をとおして,当事者が「感じ取っているらしい秩序」にしたがって「待つ」ことが実践されていることを記述する。最後に,5節において,対象者の「意思」や「指示」をとらえていく際に「その人固有の流れ」を感じ,「やるべきことを一緒につくる」というスタンスが要請されていることを明らかにしながら,そのプロセスこそが障害者水泳というスポーツを「アダプテッド・スポーツ」にしていく社会過程であることを提示していく。

identifier:http://repository.musashi.ac.jp/dspace/handle/11149/2232

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