精選と洗練の産物 : 「教養」追求からみた「岩波少年少女文学全集」

書誌事項

タイトル別名
  • セイセン ト センレン ノ サンブツ : キョウヨウ ツイキュウ カラ ミタ イワナミ ショウネン ショウジョ ブンガク ゼンシュウ
  • A Well-Selected and Sophisticated Series : 〈Iwanami Collection of Juvenile Literature〉 and the Promotion of Cultural Education in Japan

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抄録

一九六〇年から刊行が開始された「岩波少年少女文学全集」について、先行する叢書類との関係を考慮しながら、書目の選定や月報の内容を手がかりとして特徴を確認し、また歴史的な位置づけを試みた。一九五〇年刊行開始の「岩波少年文庫」収録作を母体とし、世界を「地域割り」にした創元社版や講談社版の翻訳叢書のそれぞれと一定の関係を持つことを前提とした上で、書目の選定の際には第二次大戦後の原著が数多く選ばれていること、日常的な物語では戦中戦後の状況をテーマとするものやソ連・中国の作品紹介が眼を引くこと、ノンフィクション系統の作品の占める割合が高く、中でも古代史関連の作品や、社会と関わる活動をした人物の伝記に重点が置かれていることなどを明らかにした。また、「読書指導」欄からは、内容的にはまさしく「教養」形成追求を図っているにもかかわらず形骸化した「教養」イメージが当時存したこともうかがうことができた。

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