健常眼に對するピンホールの視力並びに近點に及ぼす影響に就て

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  • 健常眼ニ対スルピンホールノ視力並ビニ近点ニ及ボス影響ニ就テ

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實驗材料として年齡16歳以上50歳以下の健常眼者61名118眼を擇び,屈折異常及び眼疾患,特に健常眼と見做れ易き慢性軸性視神經炎患者は總て除外せり。用ひたるピンホールは孔徑2.0,1.5,1.0,0.5mm)の4種なり。視力測定にはクレーソン氏映寫裝置を用ひ,近點測定は稻葉式調節計を改造したるを用ゐ,明室(150~300ルックス)に於て實驗せり。其の成績次の如し。(1)健常眼(平均視力1.23)に對する孔徑2mm「ピ」裝用平均視力は1.17にして,百分比95の視力。同じく1.0mm「ピ」は平均視力0.85即ち百分比69。0.5mm「ピ」は平均視力0.55,即ち百分比45なり。以上の關係は年齡の上昇につれ影響增大す。(2)被檢者を年齡別に7類に分ち,裸眼の近點距離を定め,平均値を以て近點曲線を作り,是れを對照として「ピ」裝用の近點曲線と比較す。「ピ」による近點距離短縮を屈折力增加に換算せは孔徑2.0mmにて約0.5Dioptrie. ,1.5mmにて約1.0D. ,1.0mmにて約3.0D. ,0.5mmにて6~7Dに相當す。

新字体抄録:実験材料として年齢16歳以上50歳以下の健常眼者61名118眼を択び,屈折異常及び眼疾患,特に健常眼と見做れ易き慢性軸性視神経炎患者は総て除外せり。用ひたるピンホールは孔径2.0,1.5,1.0,0.5mm)の4種なり。視力測定にはクレーソン氏映写装置を用ひ,近点測定は稲葉式調節計を改造したるを用い,明室(150~300ルックス)に於て実験せり。其の成績次の如し。(1)健常眼(平均視力1.23)に対する孔径2mm「ピ」装用平均視力は1.17にして,百分比95の視力。同じく1.0mm「ピ」は平均視力0.85即ち百分比69。0.5mm「ピ」は平均視力0.55,即ち百分比45なり。以上の関係は年齢の上昇につれ影響増大す。(2)被検者を年齢別に7類に分ち,裸眼の近点距離を定め,平均値を以て近点曲線を作り,是れを対照として「ピ」装用の近点曲線と比較す。「ピ」による近点距離短縮を屈折力增加に換算せは孔径2.0mmにて約0.5Dioptrie. ,1.5mmにて約1.0D. ,1.0mmにて約3.0D. ,0.5mmにて6~7Dに相当す。

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