子ども文化の現代的様相 : 玩具・人形からの考察

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  • コドモ ブンカ ノ ゲンダイテキ ヨウソウ : ガング ・ ニンギョウ カラ ノ コウサツ
  • Modern Aspect of Child Culture : A Study from Toys and Dolls

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[要旨]近代以降、子ども向けの文化は「男児向け」/「女児向け」という性別による明確な線引きがなされてきた。しかし、ここ数年の潮流をみると国内外において男児/女児に期待される役割分担にとらわれないものが登場している。例えば、女児向けの玩具との認識が自明のごとく共有されてきた人形分野では、ジェンダー役割や性別二元論にとらわれない新たな商品が次々と開発されている。本稿では、近年特に目立った動きがみられるお世話人形とファッション・ドールに着目して考察をおこなった。 本稿で取り上げる二例の人形には子どもたちの多様な性のあり方を肯定し、固定的なジェンダー観にとらわれない方向性が打ち出された新しい傾向がみられる。しかし、こうした新しい取り組みがある一方で、依然として旧来のジェンダー規範を踏襲し続ける価値観が根強く健在するという実態もある。また、続々とリニューアルされる人形たちには、「増収増益」を至上命題とする商品開発の側面や、自己責任論に回収される性質を孕んでいる。こうした状況を考察しつつ、これからの子ども文化のあり方を考えた。

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