『曽根崎心中』における助詞「が」と「の」-「が」の用法の変化を中心に-

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  • ソネザキ シンヂュウ ニ オケル ジョシ ガ ト ノ ガ ノ ヨウホウ ノ ヘンカ オ チュウシン ニ
  • 『ソネザキ シンジュウ』 ニ オケル ジョシ 「ガ」 ト 「ノ」 -「ガ」 ノ ヨウホウ ノ ヘンカ オ チュウシン ニ-
  • The Particles “ga" and “no" in Sonezaki-Shinju: Changes in the Usages of the particle “ga"

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本稿では、大野(1987)のデータに『曽根崎心中』のデータを加え、助詞「が」の用法の変遷について観察した。その結果、『土佐日記』以来「が」の使用比率は「の」と比較すると若干の増減をみせながらも、全体として増加傾向にあるといえ『曽根崎心中』も、その変化過程の中にあることを明らかにした(図2・図3)。また「が」のかかる形式比率(図4)でも「体言が体言」から「体言が用言」へ移行する変化の中にあることが明らかになった。『曽根崎心中』では助詞「が」の連体・主格・接続といった3つの用法が認められる。その中でもまず、主格用法が「が」の全用例の52パーセントを占め、最も用例の多い用法であった。次に連体用法の「が」についていえば、基本的にはウチ・ソトの区別で「が」の承ける体言が決定されているが、「二人の心ぞ」「二人が中に降る涙」のように「二人」という体言を「が」と「の」の両助詞で承けており、ウチ・ソト意識の混乱が見られる。

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