千葉大学医学部附属病院における過去7年間のB型肝炎ウイルス汚染事故とB型肝炎ワクチン投与による能動免疫の成績
書誌事項
- タイトル別名
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- Accidental Hepatitis B Virus (HBV) Exposure in Chiba University Hospital in Seven Years and Results of Active Immunization with Hepatitis B Vaccine
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B型肝炎ウイルスの院内感染は医療従事者にとって重要な問題であり,その対策が苦慮されている。千葉大学医学部附属病院にて過去7年間の院内汚染事故の状況とHBワクチンによる予防について報告する。昭和51年4月1日より昭和57年12月31日までに,当院にて発生したB型肝炎ウイルス汚染事故により,抗HBsヒト免疫グロブリンを投与された例は,159件あった。内訳は,医師97件,看護婦(士) 50件,その他12件で,肝疾病患者および血液との接触の多い職場に比較的多く発生し,採血ないし注射後の針の始末中に自己の指を刺す例が,42%と最も多い。事故減少のためには,当事者の注意はもとより使用針の処置の仕方,針キャップの改良も必要と思われた。B型肝炎感染予防のためB型肝炎ワクチンによる能動免疫が開発されてきている。医療従事者73名(男19名,女54名)に精製HBs抗原20μgを含むHBワクチンを3回投与し,85%に抗体産生を見た。女性で92.6%の抗体陽性化率に対し,男性は63.2%と有意な性差を認めた(p<0.01)。年齢的な陽性化率の違いは明らかではなかったが,40歳以上では,免疫後の平均抗体価は低い傾向であった。HBワクチン投与による大きな副作用は見られず,能動免疫による積極的B型肝炎ウイルス汚染予防の可能性が示された。
We report nosocomical accidental hepatitis B virus (HBV) exposures for the last seven years in Chiba University Hospital. Of 159 accidents, physicians were involved in 97 (61%), and nurses in 50 (31%). Accidental exposures frequently occurred during manipulating needles or surgery. Recently developed hepatitis B vaccine was administered to 73 medical personnel (19 male, 54 female). Development of anti-HBs was shown in 92.6% of female and in 63.2% of male with active immunization. It may be warranted to actively immunize medical personnel with high
identifier:8
収録刊行物
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- 千葉医学雑誌 = Chiba medical journal
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千葉医学雑誌 = Chiba medical journal 60 (4), 251-256, 1984-08-01
千葉医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050851497142429184
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- NII論文ID
- 110006179387
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- NII書誌ID
- AN00142148
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- ISSN
- 03035476
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles