[症例] 腹腔鏡下手術の手縫い吻合部に局所再発をきたしたS状結腸癌の1例

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タイトル別名
  • ショウレイ フククウキョウ シタテジュツ ノ テヌイ フンゴウブ ニ キョクショ サイハツ オ キタシタ Sジョウ ケッチョウ ガン ノ 1レイ
  • [CASE REPORT] A case of anastomotic recurrence after laparoscopic sigmoid resection for cancer using hand-sewn anastomosis

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抄録

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[要旨] 症例は56歳女性。便潜血反応陽性の精査でS状結腸癌を認め2011年10月に腹腔鏡下S状結腸切除を施行した。左巨大卵巣のう腫がありS状結腸も非常に長く手術操作に難渋したが腹腔鏡下に切除でき手縫い吻合にて再建した。病理所見はS,2型,25×20㎜,tub1>tub2,SS,ly0,v0,N0(0/18),PM0,DM0,RM0のstageⅡであった。術後9ヵ月の大腸内視鏡検査で吻合部に一致して小隆起を認め生検結果は腺腫であった。術後1年2ヵ月の大腸内視鏡検査で小隆起が半周性の2型腫瘍に成長し吻合部再発であった。結腸癌手縫い吻合部の局所再発は少なく問題とされることは一般にない。吻合部再発は遊離癌細胞のimplantationにより起こるとされ,本症例では腹腔鏡下での鉗子操作や術中腸管洗浄をしなかったことが影響したと考えられる。予防策の確実な履行が重要であることが痛感させられた症例であった。また,吻合部に小隆起が出現した場合には再発を考慮して治療方針を決定することが重要と考えられた

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