散剤調剤における乳糖賦形量の減量とその評価

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  • サンザイ チョウザイ ニ オケル ニュウトウ フケイ リョウ ノ ゲンリョウ ト ソノ ヒョウカ
  • Decrease in the amount of lactose as a diluent for the powder dispensing and its evaluation

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千葉大学医学部附属病院薬剤部では従来,秤量する散剤の1包あたりの分包重量が0.3gを下回る場合に,散剤調製上の取扱いをしやすくするためにそれ自身薬理作用を有しない散剤(賦形剤)として乳糖を加え,1包量が0.3gになるように調剤することを内規としてきた。しかし,散剤を必要とする小児にとって散剤重量0.3gはしばしば飲み込みが困難な量である。また小児および成人ともに,多剤を同時に経管投与する場合には1回の投与量が多過ぎることによるチューブの閉塞を引き起こす場合がある。一方,近年における散剤分包器ならびに周辺機器の開発進展により,分包後の散剤重量のばらつきは減少していることが予測される。そこで調剤した散剤の分包重量および回収重量のばらつきを許容範囲内に維持しながら乳糖賦形量を減らすことが可能か,複数種類の薬剤を用いて検討した。その結果,1包量が0.2gあるいは0.3gになるように賦形した場合において,分包による薬剤の紛失を含む分包重量のばらつきや,分包紙から取り出す際の薬剤の損失はすべて許容範囲内であり,1包あたりの散剤重量を0.2gとしても現在の調剤方法と変わらない品質で患者に薬剤提供できることが示された。また賦形する散剤の1包量を0.3gから0.2gに変更することによって,散剤調剤時に賦形剤を加える作業を約1割削減することができることが明らかとなった。

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