ガソリン価格決定の政治過程

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  • ガソリン カカク ケッテイ ノ セイジ カテイ
  • Political Process of Decision on the Gasoline Price

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日常利用の車両に投入されるガソリンは、その原材料を特定の産油国に依存しているため、利用者にとっては産油国の情勢とあいまってその価格に関心が注がれる。特に非都市部の人々にとって車両は主要な交通手段でもあるため、ガソリン価格に対する関心は極めて高い。しかしながら、特定の産油国から輸入され、一定の製造過程を経て生産されたガソリンであっても、その価格は、都道府県ごとに、また同一の都道府県内であっても市町村ごとに、さらに同一の市町村内であっても、地域やガソリンスタンドごとに異なっているのが実情である。なぜ、同じ状況で生産されたガソリンの価格が、地域や販売拠点によって異なっているのであろうか。この点については、生産拠点から販売拠点までの輸送コストによるという経済的要因からの説明が一般的には理解しやすい。 しかし、この要因では説明できない自治体や販売拠点が実際には存在している。また、特定の地域から輸入された原油であっても、異なる石油事業体によって生産されるのであれば、生産方法は必ずしも同一ではない訳だから、そのコストはガソリン価格に転嫁されても良いであろうにも拘わらず、自治体や地域によっては、同一価格になっている実態もある。 そこで、本稿は、なぜこうした状況を生起することになるのか、この点を、日本の石油産業の事業構造から検討する。

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