最終講義 免疫記憶の形成と維持

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Other Title
  • 免疫記憶の形成と維持
  • サイシュウ コウギ メンエキ キオク ノ ケイセイ ト イジ
  • メンエキ キオク ノ ケイセイ ト イジ
  • Generation and maintenance of immune memory B cells

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ヒトがウイルスなどに感染すると,そのウイルスに特異的な抗体を産生する成熟B細胞が脾臓,リンパ節などの二次リンパ組織で活性化し,プラズマ細胞に分化してIgMやIgGクラスの抗体を効率的に産生します(一次免疫応答)。このとき同時に,ウイルスに特異的な抗体を産生する免疫記憶B細胞も分化誘導されます。この免疫記憶B細胞は長期にわたり生体内に維持され,次に同一ウイルスの再感染時において, 1)素早くプラズマ細胞に分化して, 2)抗原結合力(親和性)の強い,3)IgGクラスの抗体を産生します(二次免疫応答)。その結果,ウイルスが生体内で増殖する前に抗体により除去されることにより発病を免れます。この免疫記憶B細胞による二次免疫応答が,ワクチンの原動力と考えられています。この免疫記憶B細胞の分化する場がリンパ節や脾臓中に形成される「胚中心」であることが明らかにされました。そして私たちは,BCL6がん遺伝子が胚中心B細胞の分化に必須であることを明らかにしてきました。本最終講義では,この免疫記憶B細胞の形成と維持に関するこれまでの私たちの研究成果を中心に紹介します。

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