[論文]女性のキャリア形成における課題―2010 年以後の育児休業取得者へのインタビューを通して

HANDLE Web Site Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Navigating Work and Childrearing at Large Japanese Enterprises: Interviews of Child Care Leave Returners who took Leave after 2010
  • 女性のキャリア形成における課題 : 2010年以後の育児休業取得者へのインタビューを通して
  • ジョセイ ノ キャリア ケイセイ ニ オケル カダイ : 2010ネン イゴ ノ イクジ キュウギョウ シュトクシャ エ ノ インタビュー オ トオシテ

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,高学歴女性が仕事と家庭を両立し,キャリアを形成する上での現在の課題を明らかにすることである.2010 年以降育児休業を取得し現在も正社員として大企業に勤務する女性21 名に対して聞き取りを行った.5 年前と比べると,企業風土は,子育てと仕事の両立を支援する方向へと改善していること,また家庭内の家事分担も,結婚時に比べると改善していることを語る者が多い.しかしながら育児休業取得のタイミングによって昇進パスに乗れない,短時間勤務により一律に評価が下がった,柔軟な働き方を上司に認められなかったことから,仕事や昇進への意欲が減退する課題は残る.他方で,長時間労働でない新しい上司像を自ら意欲的に実践する女性管理職も出てきている. インタビューを実施したお茶の水女子大学3 年生(当時)は,当事者が誇りをもって仕事をしている様子に感銘を受け,自ら働きかけることの重要性を学んだ一方で,自分ごととして両立を実践することは容易でないとも感じている.女性が出産とキャリアを両立するためには,多様なライフステージを前提とした人事制度へとさらなる改革が必要である.

収録刊行物

  • 生活社会科学研究

    生活社会科学研究 27 59-74, 2021-02-16

    お茶の水女子大学生活社会科学研究会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ