Approach to gender studies in contemporary rural areas : Toward the “unhappy marriage” of research on rural depopulation and rural women

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  • 現代農山村におけるジェンダー研究のアプローチ : 農山村の過疎研究と女性研究との「不幸な結婚」に寄せて
  • ゲンダイノウサンソン ニ オケル ジェンダー ケンキュウ ノ アプローチ : ノウサンソン ノ カソ ケンキュウ ト ジョセイ ケンキュウ ト ノ 「 フコウ ナ ケッコン 」 ニ ヨセテ

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Abstract

本論は,現代農山村における過疎研究と女性研究との間の不連続的状況を読み解き,如何にして統合的に問題状況およびその解決モデルを検討すべきかを議論していく。その際,次のような三点に議論を集約し,ジェンダーの視点からの研究アプローチを検討することとした。  第一に,過疎研究における女性の「語られ方」を確認する。日本においては1960年代から中国地方を発端に過疎問題が顕在化し,これに対応するように過疎研究が行われ現在に至っている。その現代に至るまでの過疎実態を整序することにより,農山村における過疎はより一層「女性化」しているという現実の一方で,女性の存在が捨象された調査設計ならびに解決モデルが築かれているという矛盾を強調していく。第二に,農山村における女性問題やそこからの女性自らの主体化について照射し続けてきた女性研究について振り返っていく。周知の通りこれらの研究は,女性問題の表出に加えて(そこからの変化を促そうとした)女性活動に対する共感的な評価を行ってきた女性研究について振り返っていく。周知の通りこれらの研究は,女性問題の表出に加えて(そこからの変化を促そうとした)女性活動に対する共感的な評価を行ってきた。一方,農山村の女性に関して過疎政策のレベルで語られる際,そこにおける女性の苦悩や難題が捨象されたきらびやかな事象だけが抽象化され,実態把握のための研究成果が却ってステレオタイプ化されて発信されてしまうという矛盾があることを強調する。過疎研究と女性研究とのこうした矛盾のせめぎ合いをふまえて,第三に,R.W.コンネルのジェンダー論からその克服のヒントを探っていく。コンネルはジェンダーの可視化と変動可能性を日常レベルの女性と男性との相互作用から析出する分析枠組を提示しており,これは現代農山村におけるジェンダー研究を行う上で有用であることが紹介される。  これらの作業をふまえ,現代農山村においては女性性と男性性の複数性を前提に,女性と男性の日常的な相互作用の中から,ジェンダーが徐々に変容していく様相を丹念に析出するようなアプローチが求められていることがあらためて主張される。

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