自然災害に対する沿岸農地のレジリエンス : 農業農村整備へのレジリエンス概念の適用に向けて

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タイトル別名
  • Resilience of coastal agricultural fields to natural disasters : Toward application of resilience concept to agricultural structure improvement projects
  • シゼン サイガイ ニ タイスル エンガン ノウチ ノ レジリエンス : ノウギョウ ノウソン セイビ エ ノ レジリエンス ガイネン ノ テキヨウ ニ ムケテ

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説明

本論文では,農業農村整備にレジリエンス(システムが撹乱を吸収する能力,また撹乱を受けても元の機能と構造を維持する能力)の概念を適用するために,2004年インド洋津波によって塩類化被害を受けた沿岸農地の回復事例をレジリエンス理論にあてはめて解釈を行った。その結果,モンスーンの降雨と砂質土壌からなる水循環系に依存する水田システムが除塩機能を有することを明らかにした。この機能は,津波前には一般レジリエンス(想定外の撹乱に対するシステムの回復能力)であったが,津波後には特定レジリエンス(特定の撹乱に対するシステムの回復能力)として定義され得る。本事例から用排分離による水資源の除塩利用,農業用水・水田の多面的機能や広域農道整備などは,自然災害による被害からの回復に効果を発揮する要素として解釈可能であり,レジリエンス強化に資することが示唆された。

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