保育内容の5領域から音楽活動の可能性を考える ―保育者養成に携わる大学での授業実践を通して―

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration to the Possibilities of Music Activities in Relation to Five Areas of Childcare Content : Through Class Practice in the University Engaged in the Training of Childcare Workers.

抄録

幼稚園教育要領において,保育内容が健康,人間関係,環境,言葉,表現の5領域に編成されたのは,平成元(1989)年3月の改訂後からのことである.また,平成29(2017)年の改訂において,幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿が明記された.ここで示された10の姿の個々の内容とは,全て5領域の内容と深く結びついている.保育内容が,以前の6領域から5領域へと再編成された過程において,音楽活動は音楽リズムという領域から表現の領域に含まれるようになったと一般的に捉えられてきているが,他領域との関連も踏まえ,総合的な指導の在り方を検討していくことに意義があると考えた. 領域間の連携を目指した音楽活動の一例として,ミュージックパネルシアター,手作り楽器の制作とリズム遊び・合奏,音楽を用いた手遊び・身体活動の3つの活動の意義と特色を挙げたうえで,筆者が保育者養成に携わる大学で行っている授業実践とICTの活用について,まとめた.これらの活動について,幼稚園教育要領における保育内容5領域のねらいの記述内容から比較検討を行った結果,表現以外の4領域のなかで,特に健康や人間関係の領域との関連も深く,健康の増進や社会性,コミュニケーションの発達に貢献するものであることが確認できた.

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