メディアとしてのAKB48の歌詞の解釈に関する研究 -共感という心理的メカニズムと子ども若者の対人意識に着目して-

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  • メディア ト シテ ノ AKB48 ノ カシ ノ カイシャク ニ カンスル ケンキュウ : キョウカン ト イウ シンリテキ メカニズム ト コドモ ワカモノ ノ タイジン イシキ ニ チャクモク シテ

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本稿では 2010 年代に絶大なる人気を博していた AKB48 の歌詞を解釈し,特に「歌詞に共感する」という心理的メカニズムについて,教育学,音楽社会学,心理学,メディア論,若者論といった多角的な知見を援用して分析した.また,その過程において AKB48 の歌詞解釈に関する主たる先行著述者であった宇野常寛の論を批判的に検証することで,AKB48 の歌詞の性質について明らかにし,最終的に宇野の思想に則りながら歌詞を享受していくことがどのような危険性を孕んでいるのか,教育学的な見地から警鐘を鳴らした.AKB48 の歌詞は,自己世界への読み替えが起こりうる構造を示しており,そのことによって歌詞に共感することが,反ってリスナーであり対人関係に悩みやすい子どもや若者をいっそう孤独にしてしまう恐れがあり,宇野の思想はそうした状況を助長させかねないため,外の世界と繋がり,他者の存在を意識していくことが重要であると帰結した.

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