デミング回帰分析を用いた「労働時間の賃金率弾性値」推計

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  • デミング カイキ ブンセキ オ モチイタ 「 ロウドウ ジカン ノ チンギンリツ ダンセイチ 」 スイケイ
  • Estimation of wage elasticity of working hours using matched employer-employee data

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抄録

type:Article

本稿には二つの目的がある.第一は「労働時間の契約モデル」を提示すること,そして第二は,そのモデルに基づいて「労働時間の賃金率弾性値」を推計することである.前者は,労働時間に関する市場均衡モデルである.そこでは市場均衡点が「労働時間供給曲線」と「労働時間需要曲線」との交点においてではなく,その交点を通過する「契約曲線」上に位置することが示される.そして労働時間供給の弾性値は,「契約曲線」の賃金率弾性値になることを説明する.後者は,提示された契約モデルに基づいた実証分析(労働時間弾性値の推計)である.まず「契約曲線」を推計し,そしてそれから労働時間の賃金率弾性値を求める.データには「賃金構造基本統計調査(厚生労働省)」を用い,推計にはデミング回帰分析を用いた.労働時間弾性値の推計結果は,概ね-0.13~-0.24の範囲に納まるものであった.弾性値の推計結果が負であることの含意として,労働所得への税率増が,労働時間を減少させることはないと考えられる.

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JEL Code : J22

identifier:http://repository.musashi.ac.jp/dspace/handle/11149/2357

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