リアルとバーチャルを超えて : コロナ禍における非同期型COIL (Collaborative Online International Learning)の活用事例

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  • Beyond the Real and Virtual : A Case Study of Asynchronous COIL

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本論文では、非同期型COIL(Collaborative Online International Learning)の実施事例から、その可能性について考察する。非同期型の遠隔授業は、同期型授業や対面授業にはない特徴や利点があるものの、日本において積極的に論じられるようになったのはごく最近のことである。これには、COVID-19の感染拡大による遠隔授業への移行という不可抗力の事態において、できるだけ「リアル」に近いコミュニケーションを求める力が働いたことが一因としてあげられる。さらに、その背景には、オンライン上のコミュニケーションが希薄な人間関係を生むというネガティブな評価が存在する。本稿では、文字でのやり取りを主とする非同期型COIL の事例から、このような「非同期型の忌避」を乗り越え、そのポジティブな側面に焦点を当てる。そこで、鹿児島大学とタイのブーラパー大学との間で行った非同期型COIL 授業において見られた学生間の交流の実例を紹介する。その上で、対面式のコミュニケーションこそが真正で人間的なものであるという前提を問い直し、内容本意の異文化コミュニケーションを授業内で実践する教育ツールとして、非同期型COIL 授業が持つ特徴を示していく。

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